歯はどうして生え変わるの?

公開:2026-07-17 更新:2026-07-17 読了 約6分

図解

1 生まれる前〜赤ちゃん あごの中で乳歯と永久歯の芽が用意される 2 三歳ごろ 小さな乳歯が生えそろう 3 六歳ごろ 前歯から生えかわりが始まり、六才臼歯も生える 4 生後六〜十年 乳歯の根が吸収されて抜け、永久歯がそろっていく

図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)

あごが育つと乳歯では小さすぎるので、大きな永久歯に生えかわるから。

六さいごろになると、下の前歯がグラグラしてきて、やがてぬけます。そして、その下から新しい大きな歯が顔を出します。これが「歯の生えかわり」です。

小さいころの歯を「乳歯にゅうし」、大人の歯を「永久歯えいきゅうし」といいます。どうして、わざわざ生えかわるのでしょう。

いちばんの理由は、あごの大きさです。赤ちゃんのころは、顔もあごも小さいので、小さな乳歯がぴったりです。でも体が大きくなると、あごも大きく育ちます。すると、小さな乳歯ではすき間だらけになり、しっかりかむには足りなくなります。そこで、大きくて丈夫な永久歯に交代するのです。

生えかわるとき、あごの中では永久歯の芽が下から近づいてきます。すると、その上にある乳歯の根が少しずつとけて短くなり、やがて乳歯はグラグラしてぬけ落ちます。だから、ぬけた乳歯の根は短くなっているのですね。

永久歯がぜんぶ生えそろうまでには、生まれてから六年から十年ほどかかります。生えかわる時期には、早い子もおそい子もいて、人によってちがいがあります。あわてず、じゅんばんに交代していくのです。

乳歯が抜けて永久歯に替わるのは、あごの成長に体を合わせるための巧妙なしくみだ。生まれたばかりの小さな顎には小さな乳歯がふさわしいが、体の成長とともに顎は大きくなり、より大きく丈夫な歯が必要になる。しかし一度生えた歯は大きくならないため、いったん乳歯で場所を確保し、のちに永久歯へ入れ替える二段構えをとる。永久歯の芽は早くから顎の中に用意されており、生えてくる時期が近づくと、その上に立つ乳歯の根を少しずつ吸収してとかしていく。支えを失った乳歯はぐらつき、やがて抜け落ちる。奥では六才臼歯・十二才臼歯と呼ばれる大きな歯も新たに加わり、永久歯はおよそ生後六年から十年をかけてそろっていく。抜けた乳歯の根が短いのは、役目を終えて溶かされた証しなのだ。

仕組みの科学

歯の生えかわりは、顎の成長という体の変化に歯を合わせるためのしくみだ。日本小児歯科学会の解説によれば、子どもの顔と顎は小さいため小さな乳歯が必要だが、成長にともなって顎は大きくなり、より大きく丈夫な歯が求められるようになる。ところが、いったん生えた歯はそれ以上大きくならない。そこで体は、まず乳歯で歯の場所と役割を確保し、あとから大きな永久歯へ入れ替えるという二段構えの作戦をとる。永久歯の芽(歯胚)は、乳歯が使われているあいだに顎の骨の中で静かに育っている。やがて永久歯が生える時期が近づくと、その真上に立つ乳歯の根が少しずつ吸収され、溶かされて短くなっていく。土台を失った乳歯はぐらぐらとゆれ、痛みをともなわずに自然に抜け落ちる。入れかわりには順序があり、多くは下の前歯あたりから始まる。さらに乳歯の奥では、六才臼歯・十二才臼歯と呼ばれる大きな歯が、乳歯を押しのけずに新しく生えてくる。こうして永久歯は、およそ生後六年から十年をかけて、少しずつ口の中にそろっていく。抜けた乳歯の根が短く欠けて見えるのは、役目を終えて吸収されたあかしなのだ。

歴史と発見

歯がどのようにつくられ、顎の中で生えてくるのかは、じつは今も研究が進む最先端のテーマである。歯は、かたいエナメル質や象牙質、歯を支える歯槽骨など、性質のちがう組織が精密に組み合わさってできており、そのでき方には多くの謎が残されてきた。東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)の研究チームは、こうした歯のなりたちに新しい光を当てている。同大学の発表によれば、歯の根をつくる細胞や、歯を支える歯槽骨をつくる細胞のもとになる集団が突き止められ、それぞれが特定の信号(シグナル)を受け取りながら、歯根や歯槽骨へと育っていくしくみが明らかにされた。歯の根や土台が「どの細胞から」「どんな合図で」つくられるのかがわかってきたことで、将来的には、歯の根や歯のまわりの組織、骨を再生させる医療への応用が期待されている。私たちが子どものころに当たり前のように経験する生えかわりの裏側には、まだ解明の続く精密な体のしくみが隠れているのだ。

もう一歩先

生えかわりを知ると、自分の歯との付き合い方が少し変わってくる。まず、生えかわる時期には大きな個人差がある。早い子もいれば遅い子もいて、順番が前後することもめずらしくない。「まわりの子より遅い」と気にしすぎる必要はなく、自分のペースで交代していくのがふつうだ。次に大切なのは、生えたばかりの永久歯である。生えかわりの時期は、ぐらつく乳歯とすき間の多い歯ならびが入り混じり、みがき残しが生まれやすい。とくに奥から新しく出てくる六才臼歯は、背が低く歯ブラシが届きにくいので、意識してていねいにみがきたい。観察の題材としても生えかわりはおもしろい。抜けた乳歯をよく見ると、根が短く溶けて欠けているのがわかる。鏡で口の中をのぞき、乳歯と永久歯が何本ずつあるかを記録していけば、自分の成長を歯で実感できる。こうして観察を続けると、体が育っていくようすを、歯という身近なものさしで感じ取ることができる。一生に一度きりの大がかりな入れかえだからこそ、その様子をじっくり眺めてみるとよいだろう。

🌱 ためしてみよう!3択クイズ

本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。

Q1. 歯が乳歯から永久歯に生えかわる、いちばんの理由はどれでしょう?
こたえ:あごが大きく育つから
赤ちゃんのころは顔もあごも小さいので小さな乳歯がぴったりです。でも体が育つとあごも大きくなり、小さな乳歯では足りなくなります。だから大きくて丈夫な永久歯に交代するのです。
Q2. 乳歯が抜ける前、その根はどうなっているでしょう?
こたえ:少しずつ溶けて短くなる
永久歯が近づくと、その上にある乳歯の根が少しずつ吸収されて溶け、短くなっていきます。土台を失った乳歯はグラグラして、やがて自然に抜け落ちるのです。
Q3. 永久歯がぜんぶ生えそろうまで、どれくらいかかるでしょう?
こたえ:生まれてから六〜十年ほど
永久歯は一度に生えるのではなく、六歳ごろから順番に少しずつ入れかわります。ぜんぶそろうまでには、生まれてからおよそ六年から十年ほどの長い時間がかかります。

👤 大人のちょっとした雑学

「六才臼歯」は名前どおり

乳歯の奥に新しく生える大きな歯は、六才臼歯・十二才臼歯と呼ばれる。生えてくる年齢がそのまま名前になった歯で、乳歯を押しのけず、あごの奥のスペースに新規に加わるのが特徴だ。

永久歯の芽は早くから待機中

永久歯の芽は、乳歯が使われているあいだに顎の骨の中で静かに育っている。出番が近づくと乳歯の根を溶かして表舞台へ。生えかわりは、行き当たりばったりではなく計画的な入れかえなのだ。

抜けた乳歯が語ること

抜けた乳歯の根が短く欠けて見えるのは、永久歯に押されて吸収された証し。痛みなく自然に抜けるのは、根がすでに溶けて支えを失っているから。乳歯は静かに役目を終えている。

🔬 とことん深掘り:読書ガイド

読み順ガイド(やさしい→専門)

  1. 歯と口のはたらきをあつかった子ども向けの図鑑
    まず乳歯と永久歯の種類や役割を絵で見て、生えかわりの全体像をつかむ。
  2. 口と歯のしくみをあつかった一般向けの科学書
    顎の成長と歯の交代の関係を平易に学び、「なぜ二度に分けるのか」を理解する。
  3. 口腔解剖学・発生学の入門的な専門書
    歯胚の発生や歯根・歯槽骨の形成といった、歯ができるしくみまで踏み込む。

さらに進む方向

  • 歯や器官がつくられる過程を追う発生生物学へ進む
  • 歯や歯周組織の再生をめざす再生医療の研究へ広げる
  • 哺乳類の歯の数や形の進化を比べる比較解剖学へ接続する

もっと詳しく:歴史と時系列

  1. 生まれる前〜赤ちゃん
    あごの中で乳歯と永久歯の芽が用意される
  2. 三歳ごろ
    小さな乳歯が生えそろう
  3. 六歳ごろ
    前歯から生えかわりが始まり、六才臼歯も生える
  4. 生後六〜十年
    乳歯の根が吸収されて抜け、永久歯がそろっていく

ことばのメモ

乳歯
赤ちゃんのころに生える小さな歯
永久歯
生えかわったあとの大人の歯
歯の芽
あごの中で育つ、歯のもと
根の吸収
乳歯の根がとけて短くなること
歯槽骨
歯を支えているあごの骨

よくある質問

どうして一回で大人の歯が生えないのですか?
小さいころは顔もあごも小さいので、大きな歯が入りきりません。まず小さな乳歯で始め、あごが育ってから大きな永久歯に交代するしくみだからです。
抜けた乳歯の根は、どうして短いのですか?
永久歯が近づくと、その上にある乳歯の根が少しずつ吸収されて溶けるためです。役目を終えて短くなった乳歯は、やがてグラグラして自然に抜け落ちます。
歯が生えかわるのは何歳ごろですか?
多くは六歳ごろに前歯から始まります。永久歯がぜんぶそろうまでには、生まれてから六年から十年ほどかかり、順番に少しずつ入れかわっていきます。
生えかわりの時期はみんな同じですか?
いいえ、個人差が大きいです。早い子も遅い子もいて、順番が前後することもあります。まわりとくらべず、自分のペースで交代していくのがふつうです。

学びのタネ

この問いに関連する本・実験・サービスのご紹介です。

家でできること

  • 抜けた乳歯をよく見て、根が短く溶けて欠けているかどうかを観察してみよう。
  • 鏡で口の中をのぞき、乳歯と永久歯がそれぞれ何本あるかを数えて記録してみよう。

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出典・参考文献

  1. 公益社団法人 日本小児歯科学会こどもたちの口と歯の質問箱 — 小学生低学年 参照 2026-07-04
  2. 東京科学大学(Science Tokyo)歯根と歯槽骨の形成メカニズムを新たに解明 参照 2026-07-04

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