図解
図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)
大きな小惑星がぶつかり、すすで太陽の光がかげったから。
むかし、地球には恐竜がたくさんいました。ところが今から6600万年ほど前に、そのほとんどが姿を消してしまいます。いったい何が起きたのでしょうか。
いちばん有力な説は、宇宙から大きな小惑星が落ちてきたというものです。落ちた場所は、今のメキシコあたりの海。とても大きな穴(クレーター)が今も見つかっています。
小惑星がぶつかると、地面の下にあったものが燃えて、大量の「すす」が空高くまい上がりました。すすは太陽の光をさえぎるので、地球はうす暗く、寒くなってしまいます。
太陽の光が弱まると、植物がうまく育ちません。植物を食べる恐竜も、その恐竜を食べる恐竜も、食べ物がなくなって生きていけなくなりました。こうして食べ物のつながりが、次々とくずれていったのです。
いっぽうで、ワニやカメ、小さなほ乳類(ほにゅうるい)などは生きのこりました。体が小さいと、少しの食べ物でも生きていけたからだと考えられています。生きのこった仲間は、恐竜がいなくなった広い世界で、少しずつなかまをふやしていきました。わたしたち人間の祖先も、その中にいたのですね。
恐竜の大量絶滅は、約6600万年前、白亜紀の終わりに起きた。決定打とされるのが、現在のメキシコ・ユカタン半島に落下した直径10kmほどの小惑星だ。衝突地点には直径約180kmのチクシュルーブ・クレーターが残る。衝突そのものより深刻だったのは、その後に起きた気候変動である。地下の有機物が燃えて生じた大量のすすが成層圏まで舞い上がり、太陽光を吸収して地表を暗く冷やした。植物の光合成が滞り、食物連鎖が根元から崩れたのだ。クレーター内部の掘削試料からは、小惑星に多く含まれるイリジウムが衝突由来の堆積物の最上部に濃集していることも確認されている。ただし絶滅は一因では語れない。同時期にはインドで巨大な火山活動(デカン・トラップ)も続いており、複数の環境変動が重なった末の悲劇だったと考えられている。
仕組みの科学
恐竜を含む白亜紀末の大量絶滅は、隕石衝突後に起きた地球規模の気候変動によって説明される。約6600万年前、直径10km級の小惑星がメキシコ・ユカタン半島の浅い海に衝突した。問題はその後だ。衝突地点の地下には有機物を多く含む堆積岩が広がっており、これが高温で燃焼して大量のすす(煤)を生んだ。すすは成層圏まで運ばれて地球全体に拡散し、太陽光を効率よく吸収して地表に届く光を大きく減らした。研究によれば、低緯度でも降水量が砂漠並みに落ち込む極端な干ばつが生じ、陸上植物が枯死。植物を起点とする食物連鎖が根元から断たれた。海でも光合成を担うプランクトンの層が縮小し、続いて海水温が低下した。興味深いのは、気温そのものは恐竜が耐えられる範囲だったと推定される点で、絶滅の主因は『気温』ではなく『光の欠乏と乾燥による食料崩壊』だったと考えられている。ワニやイカなど一部が生き残った理由も、この食物網の視点から説明が進んでいる。
歴史と発見
小惑星衝突説が広く知られるようになったのは1980年、物理学者ルイス・アルバレスと地質学者の息子ウォルター・アルバレスらが、白亜紀と古第三紀の境界の地層から異常に高い濃度のイリジウムを発見したことがきっかけだった。イリジウムは地表には乏しく隕石に多いため、地球外天体の衝突が疑われた。1990年代には、メキシコのユカタン半島地下に直径約180kmのチクシュルーブ・クレーターが確認され、衝突説は決定的な証拠を得る。日本の研究も貢献してきた。2016年には東北大学の研究グループが、衝突で生じたすすによる気候変動を数値シミュレーションで再現し、絶滅と生き残りのパターンを説明した。さらに2021年には、東京大学や東京工業大学(現・東京科学大学)などの国際チームが、チクシュルーブ・クレーター内部の掘削試料から衝突由来のイリジウムを直接検出し、衝突ダストが全球に降り注いだ証拠を示した。仮説は半世紀をかけて実証へと近づいてきた。
もう一歩先
『小惑星の衝突ですべてが決まった』と単純化するのは早い。同じ白亜紀末には、現在のインドで『デカン・トラップ』と呼ばれる大規模な火山活動が数十万年にわたって続き、二酸化炭素や硫黄化合物を大量に放出していた。火山による長期の環境ストレスで生態系がすでに弱っていたところへ、小惑星衝突がとどめを刺したとする『複合要因説』が近年は有力だ。絶滅は一夜の出来事ではなく、複数の変動が積み重なった結果だという見方である。そして、この大量絶滅は『終わり』であると同時に『始まり』でもあった。恐竜が去った生態系のすき間を、それまで日陰の存在だった小さなほ乳類が埋め、多様に進化していく。やがてその系譜から霊長類が現れ、私たち人類へとつながった。恐竜の絶滅がなければ、ほ乳類の時代は来なかったかもしれない。過去の破局を読み解くことは、生命の歴史がいかに偶然に左右されてきたかを教えてくれる。同時に、急激な気候変動が生態系を根こそぎ崩しうるという事実は、いま私たちが直面する環境問題を考えるうえでも、重い示唆を与えているのだ。
🌱 ためしてみよう!3択クイズ
本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。
Q1. 恐竜のほとんどがいなくなったのは、今から何年ほど前でしょう?
Q2. 小惑星がぶつかったあと、地球はどうなったでしょう?
地面の下のものが燃えて大量のすすが空高くまい上がり、太陽の光をさえぎりました。地球はうす暗く寒くなり、植物が育たなくなって食べ物のつながりがくずれました。
Q3. 小惑星が落ちたのは、今のどの国のあたりでしょう?
小惑星が落ちたのは、今のメキシコあたりの海です。そこには直径180kmほどの大きなクレーター(チクシュルーブ・クレーター)が今も残っていて、証拠として調べられています。
👤 大人のちょっとした雑学
決め手は地層の『イリジウム』だった
地表に乏しく隕石に多いイリジウムが、白亜紀末の地層で異常に濃く見つかった。1980年のこの発見が、地球外天体の衝突という大胆な説を科学の主流へ押し上げる転機になった。
絶滅の主因は『寒さ』より『暗さ』
研究によれば衝突後も低緯度の気温は恐竜が耐えられる範囲だったと推定される。真の打撃は、すすが太陽光を奪い植物の光合成を止めたこと。食料の崩壊こそが致命傷だった。
犯人は小惑星だけではないかもしれない
同じ頃インドでは巨大火山デカン・トラップが噴き続け、生態系はすでに疲弊していた。そこへ衝突がとどめを刺したとする複合要因説が、近年はむしろ主流になりつつある。
🔬 とことん深掘り:読書ガイド
読み順ガイド(やさしい→専門)
- 恐竜図鑑(学研・小学館などの最新版)
まず恐竜の多様性と生きた時代をつかみ、絶滅の『前』の世界を具体化する。 - 大量絶滅を扱った科学新書
5度の大量絶滅の中でK-Pg境界を位置づけ、衝突説の証拠の流れを理解する。 - 古生物学・地球史の入門教科書
地層・年代測定・同位体の基礎を押さえ、一次証拠を自分で読み解く土台を作る。
さらに進む方向
もっと詳しく:歴史と時系列
- 約6600万年前メキシコに小惑星が衝突・チクシュルーブ・クレーター形成
- 衝突直後地下の有機物が燃え大量のすすが成層圏へ
- その後数年太陽光が減り干ばつと寒冷化・食物連鎖が崩壊
- 1980年アルバレスらが境界層からイリジウム高濃度を発見
- 1990年代チクシュルーブ・クレーターが確認され衝突説が有力に
- 2016年東北大がすすによる気候変動をシミュレーションで再現
- 2021年東大・東工大らがクレーター内部で衝突イリジウムを検出
ことばのメモ
- 白亜紀
- 恐竜が栄えた最後の地質時代
- チクシュルーブ・クレーター
- メキシコにある巨大な衝突の跡
- イリジウム
- 隕石に多く地表に少ない金属元素
- 食物連鎖
- 食べる・食べられるのつながり
- デカン・トラップ
- インドで起きた巨大な火山活動
よくある質問
恐竜は本当に一瞬で絶滅したのですか?
小惑星が落ちたのはどこですか?
なぜワニや鳥は生き残れたのですか?
絶滅の原因は小惑星だけですか?
学びのタネ
この問いに関連する本・実験・サービスのご紹介です。
家でできること
- 図鑑や博物館で、恐竜が生きていた時代と絶滅した年代(約6600万年前)を年表で確かめてみよう。
- 鳥が恐竜の子孫だと言われる理由を、骨格の共通点から調べてみよう。
おとな向けに:新書・実用書
とことん深く:専門書・古典
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出典・参考文献
- 東北大学恐竜やアンモナイト等の絶滅は「小惑星衝突により発生したすすによる気候変動」が原因だった 参照 2026-07-03
- 東京大学 理学系研究科恐竜を絶滅させた小惑星の痕跡を衝突クレーター内に発見 参照 2026-07-03
- 東京科学大学6600万年前の小惑星衝突がもたらした特殊な海洋環境 参照 2026-07-03
出典・正確性ポリシー:詳しく読む
恐竜のほとんどが姿を消したのは、今から約6600万年前です。地球に大きな小惑星がぶつかり、そのあとに起きた気候の変化で、多くの生き物が生きられなくなりました。