図解
図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)
米国で1982年に、日本では1987年に別々の顔文字が生まれたから。
スマートフォンやパソコンでメッセージを送るとき、「(^_^)」や「:-)」のような顔文字を使いますね。じつは顔文字には2つの発祥があるのです。
一つ目は横向き顔文字「:-)」です。1982年9月19日、アメリカのカーネギーメロン大学の研究員スコット・ファールマンさんが、大学の電子掲示板で「これは冗談だよ」と伝えるために初めて使いました。首を左にかたむけて見ると、笑った顔に見えます。
二つ目は日本で生まれた縦向き顔文字「(^_^)」です。1987年1月8日、若林泰志さんという人が、当時のパソコン通信「ASCII-Net」に投稿したのがはじまりといわれています。首をかたむけずに、そのまま顔に見えるのが特徴です。
そのあと日本では「(^_^)v」「(T_T)」「orz」など、たくさんの顔文字が作られました。1999年には栗田穣崇さんという人が、NTTドコモのi-modeで176字の「絵文字」を作りました。この日本発祥の絵文字は世界に広がり、2010年にはUnicodeという世界共通の文字ルールにも加わり、今では世界中のスマホで使われています。
顔文字(emoticon)と絵文字(emoji)は起源が異なる。顔文字の始まりは1982年9月19日、米カーネギーメロン大学のスコット・ファールマン教授が学内BBSで「:-)」と「:-(」を提案した投稿にさかのぼる。横向きスタイルはARPANETからUsenetを経てインターネット全体へ広がった。
日本ではその5年後、1987年1月8日に若林泰志氏がパソコン通信ASCII-Netに「(^_^)」を投稿したのが縦向き顔文字の始まりとされる。国立国会図書館レファレンス協同データベースや国立国語研究所の解説にも記録がある。1999年にNTTドコモの栗田穣崇氏がi-mode向けに176字の絵文字を開発し、2010年にUnicode 6.0で国際規格化されて世界に広がった。政府広報「Highlighting Japan」も絵文字を日本発祥の文化として紹介している。
仕組みの科学
顔文字と絵文字は、コンピュータで表現できる文字コードの制約から生まれた「感情の記号化」だ。文字だけのメッセージは声のトーンや表情が伝わらず、皮肉や冗談が誤解されやすい。この問題を解決するために、既存の記号を組み合わせて表情を再現したのが顔文字である。米国型の横向き「:-)」は、コロン・ハイフン・括弧というASCII基本記号3つだけで作られており、どんな古い端末でも表示できる汎用性が強みだった。
日本の縦向き「(^_^)」は、日本語のパソコン通信環境が半角・全角を扱う複雑な文字コードを持っていたことと、日本語話者が「顔」を目・鼻・口という縦の配置で認識する文化的傾向が組み合わさって生まれた。認知科学の研究では、日本人は目元で表情を読み取り、米国人は口元で読み取る傾向があることが知られており、「^_^」(目を強調)と「:-)」(口を強調)の違いはこの認知差と対応するとされる。絵文字(emoji)は文字コード自体に「絵」を組み込む発想で、Unicodeが国際規格化することで初めて世界共通言語になった。
歴史と発見
顔文字の起源は明確な日付で特定できる稀な文化的事象だ。1982年9月19日午前11時44分、米カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部の学内BBSに、ファールマン教授が「冗談マーカーとして:-)を提案する」という投稿をした。この投稿はのちに大学のアーカイブから発見され、原文が公開されている。以後、ARPANETからUsenetへ広がり、1980年代末にはインターネット全体で標準的な記法となった。
日本での起源は諸説あるが、国立国会図書館レファレンス協同データベースや科学系論文(人工知能学会誌ほか)は1987年1月8日の若林泰志氏によるASCII-Net投稿を「日本初の顔文字」として記録している。慶應義塾大学SFCの冨田勝教授の記事にも同時期の記録がある。日本ではその後10年ほどでパソコン通信・BBSを中心に「orz」(土下座)「(T_T)」(泣き)「( ̄_ ̄)」(じと目)など多彩なバリエーションが生まれ、独自の顔文字辞典まで編纂された。1999年にNTTドコモの栗田穣崇氏がi-mode携帯電話向けに176字の絵文字(emoji)を開発。当初は日本国内限定だったが、AppleがiPhoneに搭載したことをきっかけに世界へ広がり、2010年10月にUnicode 6.0で国際規格化された。
もう一歩先
顔文字と絵文字は、いまや世界の書き言葉の一部になっている。Oxford Dictionariesは2015年のWord of the Yearに「😂(喜びの涙の顔)」を選び、絵文字が単なる装飾でなく「語」として扱われる時代になったことを示した。Unicodeでは毎年数十字の絵文字が新規追加され、2026年時点で3600字以上の絵文字が登録されている。肌の色バリエーション・多様な家族構成・職業ジェンダー中立化など、社会の変化を反映する更新も続いている。
日本発祥の絵文字が世界化した背景には、日本のパソコン通信・携帯電話文化の早熟さがある。1980年代のASCII-Net、1990年代のPC-VAN・NIFTY-Serve、2000年代のi-modeと、テキスト以外の表現手段を模索する土壌が国内に長く存在した。国立国語研究所ことば研究館の解説によれば、絵文字は「顔文字→絵文字→スタンプ」と進化し、いまLINEスタンプに代表される日本発の視覚コミュニケーションが世界市場を持つ産業にまで成長している。政府広報も日本発の文化輸出の代表例として絵文字を取り上げており、ニューヨーク近代美術館は栗田穣崇氏の初期絵文字176字を2016年に永久収蔵している。文字コードから生まれた小さな工夫が、コミュニケーションの世界地図を書き換えた例といえる。
🌱 ためしてみよう!3択クイズ
本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。
Q1. 横向き顔文字「:-)」を最初に使ったのはどこの国?
Q2. 日本の縦向き顔文字「(^_^)」はいつごろ生まれた?
1987年1月8日、若林泰志さんがパソコン通信「ASCII-Net」に投稿したのが日本初とされています。首をかたむけずにそのまま顔に見えるのが日本の顔文字の特徴です。
Q3. 絵文字(emoji)を世界に広めた最初の発明はどれ?
1999年、NTTドコモの栗田穣崇さんがi-mode携帯電話向けに176字の絵文字を作りました。これが世界に広がって、2010年にUnicodeに登録され、今では世界中で使われています。
👤 大人のちょっとした雑学
ファールマン教授の原文は今も見られる
1982年9月19日午前11時44分の投稿原文は、後にカーネギーメロン大学のアーカイブから発見され、公開されている。「冗談マーカーとして:-)を、真面目な発言には:-(を使うことを提案する」という提案文で、この一投稿がその後のインターネット文化に決定的影響を与えた。
目元と口元、日本と米国の表情認識の違い
認知科学の研究では、日本人は目元で表情を読み取る傾向が強く、米国人は口元で読み取る傾向があるとされる。「^_^」(目を強調)と「:-)」(口を強調)の違いは、この文化的な表情認識の差と対応しており、単なる縦横の違い以上の意味を持つ。
MoMAが栗田穣崇氏の初期絵文字を永久収蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)は2016年、NTTドコモの栗田穣崇氏がi-mode向けに設計した初期絵文字176字を永久収蔵した。デジタルデザインが美術館の永久コレクションに加わる先駆的事例で、日本発の視覚コミュニケーションの世界的評価を象徴している。
🔬 とことん深掘り:読書ガイド
読み順ガイド(やさしい→専門)
- 絵文字と現代コミュニケーション(栗田穣崇、ちくま新書)
i-mode絵文字の生みの親自身による解説。1999年当時の開発現場・176字の選定基準・世界化への軌跡が一次資料として語られている。まず「絵文字はどう生まれたか」を当事者視点で押さえるのに最適。 - 顔文字の現象および研究の概観(人工知能学会誌 32(3))
顔文字を科学的に研究した論文の代表例。認知科学・言語学・社会心理学の視点から、記号による感情表現がどう機能するかを整理している。学術的に顔文字現象を理解する起点。 - Because Internet(Gretchen McCulloch, Riverhead Books)
インターネット時代の言語変化を扱う言語学者の一般書。顔文字・絵文字・GIF・ミームなど、テキスト以外の記号がどう「言葉」に組み込まれてきたかを世界的視野で追う。 - The Emoji Code(Vyvyan Evans, Michael O'Mara Books)
認知言語学者による絵文字論。絵文字が言語なのか記号なのか、どんな脳の働きで理解されるかを実証研究に基づいて論じる。日本発の文化が世界共通言語になった過程を理論的に把握できる。 - Introducing the Emoji Set(MoMA展示解説)
ニューヨーク近代美術館が2016年に栗田穣崇氏の初期絵文字176字を永久収蔵した際の展示解説。デジタルデザインの美術史的位置づけと、日本の視覚文化の国際評価を一次資料で追える。
さらに進む方向
もっと詳しく:歴史と時系列
- 1982年9月19日米ファールマン教授が学内BBSに「:-)」を投稿
- 1987年1月8日日本の若林泰志氏がASCII-Netに「(^_^)」を投稿
- 1999年NTTドコモ・栗田穣崇氏がi-mode向けに絵文字176字を開発
- 2010年10月絵文字がUnicode 6.0で国際規格化
- 2015年Oxfordが絵文字を「今年の言葉」に選定
- 現代Unicode絵文字は3600字以上・毎年追加継続中
ことばのメモ
- 顔文字
- 記号を組み合わせて顔を表す文字
- 絵文字
- 文字コードに登録された小さな絵の文字
- BBS
- パソコンで文章をやりとりする電子掲示板
- Unicode
- 世界共通の文字コードの決まり
- i-mode
- 1999年の携帯ネットサービス
よくある質問
顔文字を最初に使ったのは誰ですか?
日本の顔文字「(^_^)」はいつ生まれましたか?
顔文字と絵文字は何が違うのですか?
絵文字は世界でどれくらい使われていますか?
学びのタネ
この問いに関連する本・実験・サービスのご紹介です。
家でできること
- 家族や友だちに、よく使う顔文字と絵文字をきいて、どちらが多いか集計してみよう。
- 国立国会図書館レファレンス協同データベースで「顔文字 起源」を検索して、当時のパソコン通信の記録を読んでみよう。
- スマホの絵文字一覧を開いて、肌の色や職業のバリエーションが何種類あるか数えてみよう。
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出典・参考文献
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベース顔文字の起源について知りたい。 参照 2026-07-17
- 国立国語研究所 ことば研究館世界中で使われている絵文字は日本発祥だそうですね 参照 2026-07-17
- 政府広報 Highlighting Japan絵文字(emoji)はどのように生まれ、世界に広がったのか? 参照 2026-07-17
出典・正確性ポリシー:詳しく読む
1982年9月19日、アメリカのカーネギーメロン大学のスコット・ファールマン教授が学内の電子掲示板に投稿しました。冗談を伝えるためのマーカーとして提案されたものです。